
キャリア紹介(Case 2)
Terui
2013年入社 |
法学部
スキーやスノーボードをはじめ、ゴルフ、キャンプなどいわゆるアウトドア派で、アクティブに過ごすことが多い。兼松ではスキー・スノーボード部に所属しており、今でもタイミングが合うと参加している。料理も好きで、家で過ごす時はじっくり時間をかけた料理に挑戦している。
電子部品・半導体第一部
難しさを体感したプロジェクト
先輩から引き継いだクライアントに対し、新規提案を行い、受注を決める。インフラ関連で用いられる部品を供給するビジネスで、価格面や長期にわたる耐久性担保など、要求されるスペックには厳しい条件もいくつかあったが、中国の現地法人のサポートを得ながら新たなサプライヤーを見つけ出し、品質保証要件や生産工場監査なども無事にクリア。苦労の末にスタートさせることができたプロジェクトだった。しかし、納入初期から部品のクオリティが安定せず、品質基準を満たさない不良品が混在されて納品される事態となった。
当然、部品を組み上げる日本国内の工場のラインは止めることはできない。契約通りの納入数量を必ず確保する必要に迫られた。結果として、数カ月間、毎朝、部品が納入される倉庫に通い詰め、検品を行う日々を送ることになった。部品の生産地である中国側でも、現地スタッフにサプライヤーの工場に張り付いてもらい、生産の指導を行ってもらった。最終的に、周囲の大きな支えもあり、なんとか乗り切ることができたが、新規ビジネスの難しさや供給責任の重さを体感した、ほろ苦くも学びの多いプロジェクトとなった。
企画部 開発・投資イノベーション室
その自覚が芽生えた投資案件
4年間、トレーディングビジネスに従事した後、兼松の投資担当部署への異動を拝命した。具体的な業務は、M&Aを実施する際、買収すべき企業を探し出すところから、価値算定や契約条件の精査など実際に買収に至るまでのプロセス全般にわたって投資実行部署をサポートすることであった。
初めて主担当として臨んだのは、海外の食肉加工会社への投資を検討するというもの。思い起こせば至らないことだらけで、前提を誤って企業価値評価を行った資料を作成してしまったこともあった。社外に提出する前に指摘が入り、致命的なミスとはならなかったが、謝罪のために営業部へ行った時のことは、今でもしっかりと覚えているとのこと。「対外的には年次・経験に関係なく自分はプロフェッショナルでなければならない」そんな自覚が芽生えた出来事だった。ただ、財務情報の読解や事業計画、プレゼンテーション資料の作成といったスキル面のみならず、プロジェクトの中で複数当事者をつなげ、前に進めていく難しさ・楽しさも含めて学びとなることばかりで、仕事における視野が確実に広がった。そして、今後のキャリアに活きる有意義な経験を積むことができたと振り返る。
AZ-Star社へ出向
ファンドへの出向
2019年から約3年間、銀行系ファンドへの出向を経験する。決算および経理・財務の知識が求められたこともあり、出向前に主計部に数ヶ月異動しトレーニングを積んだ。当初のミッションは、ファンドにおける投資検討・の遂行だったが、赴任中に状況が変化。「結果として、難局を迎えることになった既存投資先の、経営立て直しに臨んでいくことになりました」
一つの会社の経営に徹底的に向き合ったことで、会社という事業体の中での意思決定の流れや、銀行や投資家、株主といった外部のステークホルダーとのコミュニケーションまで、企業の全体感を理解することができた。さらに、業務カバレッジの広さから、必然的に知識の幅が広がったのはもちろん、専門家の協力を得ながら業務に臨むなどして、未知の業務であっても「やりきる」術と度胸も身についた。何より会社の経営に触れる経験ができたことは、自身の大きな財産となった。

グループ成長戦略推進室 投資チーム
そんな働き方を目指していく
2021年からは、投資チームに異動(帰任)。兼松および兼松グループの事業投資に関する総合窓口のような役割を担っている。「営業部門やグループ会社がM&Aを行う際、その伴走役として、戦略策定、案件ソーシング、企業価値評価や買収シナリオの事業計画への落とし込み、社内の各種申請のサポートを行っていきます。」
投資は判断基準が多岐にわたることもあり、M&Aのスペシャリストとはある意味ジェネラリストのような人材だと考えている。ビジネス面の理解のみならず、会計、人事、労務、財務、税務といった幅広い視点から、リスクの軽重を適切に判断していくことが求められる。だからこそ、業務の大枠としてのプロセスは同じであっても、案件ごとに条件や論点がまったく異なるため、飽きることなくいつも向き合っていけると、彼女は業務の魅力を語る。「仕事は何をするか?も大切ですが、どうやるか?も同様に大切です。自分ならではバリューをいかにして仕事に付与していくか?そこに仕事の醍醐味があると思います」
今後兼松でチャレンジしたいこと
その環境をつくり機会を増やしていく
多くの投資案件を積極的に担当し経験を積む中で、自分が買収に携わった企業に出向し、その企業のビジネスを育てていくというのが短期・中期的に描いているビジョンの一つだ。一方で、長期的には現在の部署がオウン・アカウントで投資できる仕組みと体制を構築し、実際にM&Aを実施できたらと考えている。
例えば、事業部の視点で「チャレンジに踏み切るには少し早い」という判断が下り、買収検討を見送った案件でも、個人的に将来性を感じるような案件をいくつも見てきたというのが、その考えの源泉にある。経営を通じてその企業の「可能性」を丁寧に育てながら、オーガニックな事業成長と、兼松のさまざまな既存ビジネスとの長期的なシナジーの発揮を目指していく、そんな取り組みができたら面白いはずだと、考えている。
