
特定
2009年入社
法学部 卒

J-SOXは、金融商品取引法で定められた内部統制報告書制度であり、この4つの目標のうち、②財務報告の信頼性に対象を限定している。同法で提出を義務付けられた内部統制報告書を、有価証券報告書と併せて金融庁宛に提出している。
国際会計基準(IFRS)適用に伴う、
新たな内部統制の評価を遂行。
2016年、朝吹は大きな仕事に向き合っていた。国際会計基準(IFRS)の適用に伴い、主計部・財務部・営業部においてIFRSに見合う内部統制を盛り込み、インターナルコントロール室ではその新たな統制に対して客観的な評価を行わなければならないのだ。「IFRSが適用されたのは2015年度末(2016年3月)の有価証券報告書から。主計部・財務部・営業部においてIFRS上必要とされる新たなルールや作業フローを構築し、実際に作業をしてもらわないと、内部統制評価の仕事は始まりません。しかし、どの部署もIFRS対応については初めての経験。新たな内部統制を構築するのは容易ではありませんでした」
各部署が苦労している様子を見ながらも、朝吹は彼らに任せきりにしていたわけではない。「各部署と私たち、監査法人の三者で頻繁に統制の整備・運用について検討しました」
その中で朝吹が心がけたことがある。それは、会計理論上求められている事項について形だけのルールを加えないことだ。「ルールが現場の実態に馴染まなければやがて形骸化してしまいます。形骸化すれば、それが不正の遠因になりかねません。そのため監査法人の要求と実務との整合性を考え、その場しのぎではなく長期的に定着するルールづくりを行うようできる限り工夫していきました」
同時に朝吹は合間を見て、IFRSや決算についての知識習得に努めた。そして、2016年5月、ようやく内部統制評価がスタート。「金融庁への『内部統制報告書』の提出期限である6月末には機関決定を含めた段取りを全て終了させなければならず、短期間での業務遂行が求められました」
その後、内部統制評価結果は外部監査を経て、経営による承認を取得。6月末、無事に「内部統制報告書」を金融庁へ提出した。「作業を終えた時は安堵しました。そして、兼松の財務諸表の信頼性を担保する重要な仕事を担うことができたという達成感を覚えました」



