スタッフ
2016年入社
社会学部 卒
苦手な英語、高難度な業務と向き合い、
インド向け輸出取引に取り組む日々。
入社1年目の秋、星野は試練を迎えていた。「前任者からインド向けの樹脂の輸出取引を引き継いだのですが、まだ輸出業務の流れもほとんどわからない上、お客様とのやりとりは苦手な英語。また、所属部署の中でも収益源となる重要な商材で、インドからの引き合いも多く、取引量は膨大でした」
特に苦労したのは、L/C のチェックだ。L/C とは、貿易決済を円滑化するための手段として、買手が銀行へ発行を依頼し、銀行が売手に発行する支払い確約書のこと。これにより兼松は商品代金未回収のリスクは除けるが、その分、手続きは煩雑で難しくなる。「まず、L/Cを契約と照らし合わせて相違点がないか、記載されている条件通りに船積みをして問題がないかをチェックします。問題点があるまま船積みしてしまうと、最悪の場合、商品代金を回収できないということもあります。もちろん、文書はすべて英語。そのため、時間をかけて一字一句調べ、神経をすり減らしながら解読しました」
その後はインドとメールや電話でやりとりし、L/C内容の修正依頼や船積みスケジュール、決済について連絡しなければならない。「一生懸命考えてようやく送ったメールに対して、“What does that mean?”と一言で返されたり、すぐに返信ができないと猛烈に催促されたり・・・。非常に辛い日々が続きました」
それでもくじけずにメールのやりとりを重ねていくうちに、L/C業務の内容も英語も、少しずつわかるようになってきた。インド向けの輸出取引を引き継いで2年が経った今、お客様との信頼関係も育まれつつある。「最初の頃は命令形のメールばかりでしたが、最近は、『お手数をおかけしてすみません』といった文面が増えてきて、ずいぶん感じが変わってきました。些細なことかもしれませんが、とてもうれしいですね」
さらに、星野が自分の成長を実感していることがある。「L/Cについて他の部署の方から質問されることが増えてきました。初めのうちは苦しいことばかりでしたが、業務を通じて実践的にL/Cを取り扱う日々は、学びの場としては最良でしたし、今では成長のために欠かせない試練だったのだと感じています」